読む人の感情を動かす、物語をつむぐ文章に人は恋をする

最近はあまり読めてないけれど、基本的には物語が好き。
それも、現実世界からほんのちょっとズレた不思議な世界が描かれているような。自分の中に不思議な世界のイメージがどんどん膨らんで、まるで物語の中の世界を体験できるような、そんな感覚が好き。
あとはエッセイやコラムのような、「その人ならではの視点」で見た出来事や風景、モノや人について書かれているもの。
自分以外の人の視点でいろんな世界が見えるのが面白い。
広告的ではない文章での伝え方
「文化」を生みだす起業術、というカテゴリーで書かれているUNLEASH さんの記事をご存じでしょうか。
いくつもの素敵な記事が並んでいますが、今回注目したいのは六本木にある「入場料1500円で本読み放題、コーヒー・紅茶も飲み放題、Wifiと電源も使用可」の本屋さんを紹介した記事です。
“本と恋に落ちる”体験が心を豊かにする——本屋の価値を諦めない「文喫」の思想 | UNLEASH
この記事の一節にはこんな表現が登場します。
「効率を捨て、本と恋に落ちる。文喫がもたらす偶然の出会い」
https://unleashmag.com/2019/05/16/bunkitsu/
人の購買心理に沿った考え方だけでモノを売る文章を書くのであれば、こんな表現はきっと出てきません。
釣りタイトルを意識しすぎるがゆえに、「入場料1,500円の本屋にもかかわらず人気が衰えない3つの理由」というような書き方をする人がいてもおかしくありません。
そんな中で「 効率を捨て、本と恋に落ちる。文喫がもたらす偶然の出会い 」と書けるには、少なくとも良質なインプットがこれまでにあったからだと私は考えます。
心に響く文章を書くために私が心掛けていること

私がインプットしている文章は、物語が多い。
それもちょっと不思議な世界観で、自分の中でイメージがどんどん膨らむもの。想像の中で、その世界を体験できるようなもの。エッセイやコラムのように「その人ならではの視点」が描かれているものも好きです。
人は、心が動くことで何かしらのアクションへとつなげていきます。
それは必ずしも「購買心理」を動かすということだけに限らないわけで、小説や映画、ドラマやエッセイなどでも心が動く瞬間というものはあります。
私が大切にしているのは、このUNLEASH さんの記事に出てくる表現と同じ。
「その文章と、恋に落ちてしまうような表現」
を心がけています。
誰かのことを好きになって恋をしてしまった瞬間、そこにはテクニックや作戦みたいなものはもうなくなっていて、ただ想いが伝わるように、その人にとって大切なひとりになれるように接していくのではないでしょうか。
複数の視点で伝えるためのインプット文章術

言葉や文章は、その人たちの世界を表しています。
Web集客という言葉をつかう人たちがいれば、同じことをデジタルマーケティングということがあります。
無料のSNS集客という言い方をする人もいれば、SNSを使った非有料プロモーションと書くこともあるのです。
これは自分が所属している業界、セクター、界隈によって伝え方が異なるために起こる現象です。
このような共通言語は、一種の「引き寄せ」をはたらかせます。
物語やエッセイなど、独自の視点、複数の視点で書かれたものを日頃からインプットすることを経験していると、文章表現の豊かさも変わってきます。
仕事術や自己啓発、ビジネス書の類を読むだけでは決して書けないような「伝え方」ができる人は、哲学や芸術などのリベラルアーツに長けている気がするのは私だけでしょうか。
言葉の豊かさ、語彙の豊かさは、表現の豊かさへとつながり、人の感情を動かし恋に落ちるような文章を書くための、大切なキーワードなのです。
あなたは、どんな文章や表現に触れていますか?
関連:インタビュー記事が目指す「読まれる文章」のその先にある広告効果