インタビュー記事が目指す「読まれる文章」のその先にある広告効果

文章

「モノ」を超えた「体験」を届けたい。 高桑製作所 一枚絞(ひとひらしぼり) というタイトルのインタビュー記事を制作した時のお話。

自分がひとひらしぼりのどこに価値を見出したのか、高桑製作所の人々がどんな想いでつくりあげたものなのかを伝えること。

モノだけを見ても見えてこないその「価値」を文章と工場や制作風景の写真で伝える。

ひとひら絞りの価値はモノの美しさはもちろんだけど「製造工程の難しさ、特許が認められるほどの新しい技術」そして、その技術は伝統的なヘラ絞り加工の熟練職人にしか使えないという事実。

伝統を受け継ぎながら新たなモノを生み出そうとする人々の情熱と、努力。それを考案した社長と技術で支えた職人さんたちの繋がり。

そういった部分にある。 その価値を受け取って自分の暮らしに取り入れることで、日々の暮らしが豊かになるということも同時に伝えたかった。

記事広告よりも「広告効果」のある記事?

記事広告というものがあります。

企業などから案件をいただき、普通の記事のような体裁を取りながら商品やサービスの魅力を伝える記事のことです。

一昔前であれば、企業側が伝えたいこと、このように消費者の人に動いてもらいたいという意図をはたらかせた記事が多かったものの、最近ではいろいろな側面から「透明性」というものが大切になってきています。

「良いものかもしれないけれど、最初に案件をいただいた時には正直イマイチな印象でした」

なんていうライター側の本音が飛び出すような記事広告はやはり好感をもたれるといいます。これはインスタグラマーやYouTuber というような、お仕事としてインフルエンサー業を営んでいる人たちにしても同じこと。

全体的に記事広告のクオリティが上がっている今こそ、企業側の思惑を抜きにしたインタビュー記事は「一般的なWeb広告」よりも高い広告効果を期待できる側面があります。

その時に大切なのは、「記事の目的は何か?」ということです。

最高のブランティング効果を文章で生み出す

SNSの利用が当たり前となった私たちは、非有料プロモーションによる自然拡散でも十分に認知を広げることができるようになりました。

しかし、自分が発信する内容、自社が発信する内容の限界点は「自己紹介」であるという点です。だからこそ外部に求められるのは「他己紹介」。

他者だかこそ語れる客観的な視点、利用者として生の声、企業の商品開発ストーリーで動いた自分の感動体験、などなど。他者だからこそ、企業と消費者の距離を縮めることができる点が、インタビュー記事における最大の魅力です。

一般的には「お客様の声」「クチコミ」などの要素をホームページなどに加えることで客観視を演出することがこれまでされてきましたが、消費者たちはもう気づいています。

その「お客様の声」は、売り手側によって操作された、あくまで購入を促進させるためだけに作られた “盛られた発言” “一部を切り取られた発言” だということに。

「クチコミ」にしても同じです。もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。買ってもいない商品のレビューを書いて、文字単価いくらというお仕事をしているアフィリエターなどの存在。

だからこそ私たちは、インスタグラムで実際に利用している人の声を知るために「タグる」ということをするようになりました。

だからこそ、インタビュー記事が目指すクオリティも、企業の思惑をすべて取っ払った上での最高の「他己紹介」である必要があります。

嘘偽りのないことを書くライターが書いたという証明も合わせて要求されることでしょう。

ソーシャル広告でも見直しが進んでいる記事LP

少し角度のちがうお話ですが、Facebook広告に代表されるようなソーシャル広告においても「記事」の見直しが行われているといいます。

記事LPを導入してCPAが1/5になったというお話を公開したのは、Web集客の教科書を謳うリスマガさん。

Facebookユーザーは、ほぼ公共の交流スペースとして位置付けられたFacebook での「Web広告」を嫌います。

インスタグラムのユーザーも、自分たちの創り上げてきた世界観に「Web広告」が流れてくることに少し迷惑しています。

「私たちのインスタフィードにそんな広告出さないで!」

「私たちのフェイスブックフィードにそんな広告出さないで!」

仮にちょっと興味のある広告が流れてきたとしても、クリックしてみたら隙あらば商品を購入させようとするセールス文句のラッシュ…!!

そんな現代人の心理に求められるのは、クリックした先にあるのは「広告」ではなく「物語」などの非プロモーションを思わせる内容です。

記事の役割の究極は「広告」ではない

ところで、ここまで「広告」と絡めながら書いてきた「読まれるインタビュー記事の秘訣」でしたが、その役割の究極は「広告」ではありません。

「モノ」を超えた「体験」を届けたい。 高桑製作所 一枚絞(ひとひらしぼり) というインタビュー記事が目指したのは、読んでいるその瞬間から沸き起こる仮想的な体験です。

映画や小説が読者の心を動かすのは、主人公にかかわる登場人物たちによるサイドストーリーが、物語を大きく底上げするから。

それと同じように、どんなに素晴らしい商品やサービスであっても、それだけでは見えてこない感動体験がそこには眠ったままなのです。

モノだけを見ても見えてこないその「価値」を文章と工場や制作風景の写真で伝える。

伝統を受け継ぎながら新たなモノを生み出そうとする人々の情熱と、努力。それを考案した社長と技術で支えた職人さんたちの繋がり。

そういった部分にある。 その価値を受け取って自分の暮らしに取り入れることで、日々の暮らしが豊かになるということも同時に伝えたかった。

私がこの記事の冒頭でこのように書いた理由でもあります。

そしてそれは、「自分たちでは語れないこと」であり、他者だからこそ語れるサイドストーリーなのです。

インタビュー記事は、読まれたその先にある、感動体験をWeb上のその場で感じてもらえることに価値があるのです。

メディア 編集室

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ハウツーメディア「ライフスタイルの伝え方」編集室です。専任ライターと代表Shihoko による共同制作記事を毎月お届けいたします。

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